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『…てか、噂の皆川先輩は?』
『さっきから探してるんだけどさ~見当たらないんだよね~。』
昨年の交流試合優勝の立役者、それを新入生一同は探しているのだが…
「大輔、お前やっぱし影薄いな。」
「うるせぇ。お前らと違ってド派手な練習してねーからだよ。」
ケラケラと笑う光輝に、少なからず殺意が湧いた。
「ま、俺はそんなの気にしないけどね。」
「顔がウズウズしてるのバレバレよバカ。」
「ヴ。」
リサの女の勘が鋭いのは2年になって更に鋭さを増している気がした。
「…ま、まぁ、言っても俺は自分の練習するだけだよ、マイペースが1番。」
「本当、アンタって最近上杉に似て来たわね。」
「そーか?」
二ヘラと笑う俺に、リサは呆れ気味に笑った。
「っし、2セット目~。」
魔力で稼働する人形を、起動させる。ランダムに動いて攻撃をしてくる人形だ、そのレベル難易度は……MAX。
『あっ!アレじゃない!?皆川先輩!』
『えー!どれどれ!?』
ここで、ようやく大輔は発見された。タイミングが悪いと言うか何と言うか…
ビュン、
「ふっ…!」
小気味よく、そしてリズム良くステップを交えて人形の剣を躱す。
『…何か、地味だな。』
『うん、面白くない。』
新入生達の反応は、ちょっぴり残酷だった。
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