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次の日の22日。
いつもは夕方までしか入れないバイトが夜まで長引き、帰るのがいつもより遅れてしまった。もうすっかり日が暮れて、時刻は10時半。
まさか夜になるまで入れられるとは思わなかった。
今日は、なくなってた醤油を買いに行きたかったのに。
仕方ない、諦めて明日にしよう。
ふと、視界の隅にいつも通っていた商店街が映った。そこは賑やかで繁華街に姿を変えつつある。
「………………」
そういえば、アキラさんや高浪さんが私を見かけたのって商店街だったよね。いったい、どこから見てたんだろう…。
そんなことがふと気になって、少しの間商店街を見つめていた。
分かったところで、別にどうにかなるわけでもないけど。
誰に説明するわけでもないのに、心の中で言い訳を立てる。
「お前……」
男の声が聞こえて前を向いた。
あ。この人……。
そこには駐車場でミカを刺そうとした男がいた。
男はキョロキョロと辺りを見回し、少し勝ち誇ったような顔をした。
アキラさんの姿が見えないから安心してるんだ。
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