第19話 終業式とサプライズ

2/26
1097人が本棚に入れています
本棚に追加
/515ページ
次の日の22日。 いつもは夕方までしか入れないバイトが夜まで長引き、帰るのがいつもより遅れてしまった。もうすっかり日が暮れて、時刻は10時半。 まさか夜になる(こんな時間)まで入れられるとは思わなかった。 今日は、なくなってた醤油を買いに行きたかったのに。 仕方ない、諦めて明日にしよう。 ふと、視界の隅にいつも通っていた商店街が映った。そこは賑やかで繁華街に姿を変えつつある。 「………………」 そういえば、アキラさんや高浪さんが私を見かけたのって商店街だったよね。いったい、どこから見てたんだろう…。 そんなことがふと気になって、少しの間商店街を見つめていた。 分かったところで、別にどうにかなるわけでもないけど。 誰に説明するわけでもないのに、心の中で言い訳を立てる。 「お前……」 男の声が聞こえて前を向いた。 あ。この人……。 そこには駐車場でミカを刺そうとした男がいた。 男はキョロキョロと辺りを見回し、少し勝ち誇ったような顔をした。 アキラさんの姿が見えないから安心してるんだ。
/515ページ

最初のコメントを投稿しよう!