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あぁ。ここ、ブライダルエステが有名だったっけ。
そんな、自分には必要のない知識を頭の隅に追いやり、両手に花の私はスキップを踏む。
「やめろ、酔っ払っい。転ぶだろ」
「だいじょ~ぶ~」
叱る善ちゃんを横目に下手くそなスキップ。
そこそこ見た目のいい善ちゃんと、かなり見た目のいい環ちゃんに挟まれて浮かれてはしゃぐ私はさぞかし無様にみえることだろう。
こんな姿、騎士様が見たらさぞかし呆れるに違いない。
いや、もしかしたらもう何とも思わないかもしれない。
「今日暑いね~」
「だったら大人しく歩け。酔いが回るわ。バカ」
マイナス思考にしか頭が働かない私は、善ちゃんとくだらない会話をしながら、お姫様と騎士が入っていったエステサロンをなるべく視界に入れないようにして、その前を通り過ぎた。
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