第1章

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第2営業課。ここは、単身者用の賃貸物件を取り扱う部署だ。それも、特殊な訳あり物件を。 今日もまた、客がやって来る。 なぜ、契約するのか…取り扱う会社の社員である俺が言うのも何だが…理解不能だ。 ここで紹介する賃貸物件は単身者用で、広くても2LDK、大体が1DKだ。 メリットは家賃が通常より安い事。なんと言っても、訳あり物件だからね。 俺としては、デメリットだと思うのだが、契約する客にとっては…癒し? いやいや、どう譲っても恐怖だと思うが、契約する客がいるのである。 『おかえり』付きの単身者用賃貸物件。 誰もいない部屋に帰ると…玄関を開けた瞬間…聞こえる…『おかえり』の声。 なぜ! どうして! そんな訳あり物件に住むんだ? まあ…会社としては…有りがたい。 そして、契約書の内容が通常より遥かにぶっ飛んでいる。こんなの恐怖の契約書だ。目を覚ませと言ってやりたい。 俺としては…こんな部署、嫌だ…。これは常に移動希望を出している少々ビビりな俺の日常の話。
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