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「時間も良い頃合です。より良い練習となりましょう」
夕暮れ時
時間が経つにつれ、視界からの情報は落ちていく
ただでさえ風は目に見えないのに…
「どんな練習をするの…?」
突然攻撃が飛んできたりして…
「警戒なさらず。本日はここが最後と聞いております。焦ることはございません」
虹竜を見ると頷いている
教えてくれても良いのに…
「後で色々聞かせて。去年は通り過ぎただけだったから」
去年と同様に人の気配はなく、戦う音も聞こえない
風属性の竜との契約に訪れる魔法使いがいないのだ
「この地に足を踏み入れてくださり、嬉しゅうございました。お気にかけて頂けただけでも光栄です」
何年もこの状態のはず
きっと他の属性の竜とは異なる魔力の調節方法があるのだろう
虹竜から降りてお礼を言うと音も立てずに姿を消す
「早速始めよう」
「では、私とゲームを致しましょう」
「え?」
何をするのかと身構えていると、いつの間にか私の右手首、左肩、右足、に拳くらいの風船が取り付けられていた
「なにこれ!?」
「風船でございます」
「それは分かるよ!」
風竜の方にも頭と両手に風船がつけられている
サイズはかなり大きいが…
「先に全て割った方の勝ちです。参ります」
一瞬で風の流れが変わった
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