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しかしそれにしても。
こんなやたらと持って回った、それこそ「なんだよこれは、ヤクザ物のヴィデオゲームか?」って言うようなやり取りを、傍で見せられていると、なんだか段々にバカバカしくも、ウザったいような気分になってくる。
だからついに、
「でさ、秦さん。電話だけど、結局、『秦さんじゃない』んだ?」って、とうとう僕は、ふたりの間に横から口を挟んだ。
「それは、わたしじゃありません、坊」
そう応じて、そこで初めて、秦さんが僕へと視線を向ける。
そして、「でも、聴きましたよ。その通話は」と、サラリと続けた。
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