おかえり

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箸をつけたはずだった。 「丸井くん、どうしたの、ぼーっとして」 笹倉さんの顔がドアップに見えてどきり、とする。 眼鏡の奥の瞳が綺麗で。 というよりも、笹倉さんってこんなに美人だっただろうか……。 いつも本を読んで一人でいるから、暗い子の印象があったのに。 「丸井くん?」 「え!?あ、いや、ごめん!なんでもないよ!」 見慣れた教室の中をそそくさと歩いて、僕は自分の席に着いた。
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