第8章

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沈黙が重く、苦しい。苦しいのは僕だけじゃなく早坂も、圭もだ。 「僕と早坂は、親友。そうでしょ、早坂」 だから、僕が答えた。 早坂は認めたくないのかもしれない。親友じゃ足りないんだろう。僕が欲しくて足掻いてる。 それはただの、性欲? 早坂はただ僕を抱きたいだけ? それとも恋人になりたいの? 早坂の望みはなんだろうと考えると、答えが出ない。 早坂は、僕と友人であろうとした。 でもその一方で求めたのは、友人を越えた関係。肌を重ねた事実をアルコールで消して、僕のなかには一番親しい友人の早坂しか、いないようにしていた。 「そうでしょ、早坂……」 消えた記憶にどんな早坂がいても、どんな僕がいても、なにをしていたとしても。けして許せる事じゃないけど、無かった事にはならないから。 早坂が、僕を好きだと想う気持ちに変わりはなくて。ただ手段を間違えてるだけで……。 板挟みになってる早坂を救えると思っていたのに。それは僕の勝手だったのかもしれない。だって僕はわがままだから。 圭の側にいながら早坂を手放したくない、なんて、早坂がツライのなんて決まってるのに。
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