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 そうはいっても、田舎に帰ってきたのは好みの男を探す為ではないのだから、好みからはずれてくれていた方が都合がいいかもしれなかった。 「さて、今日も頑張りますか」  秋弘の思考を切るように山西が手を叩き、田口を大田もよっこらしょと掛け声をかけながら事務所をあとにする。秋弘も慌てて追いかけたが、なにせ勝手がわからない。 「あの、すみません、僕はどうしたら」 「ああ、朝は園内の掃除からだけど、今日は園内を見て回ってくれたらいいから」  田口の言葉を素直に受けて、秋弘は辺りを見渡す。  幼い頃に何度も来たこの場所は、随分色あせて、随分小さかった。
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