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ちがう、そんな所は思い出さなくていいんだ。
大事なのはその先。
確か、誰かが俺の手を引いて……
"俺の声だけ聞いてればいいんだ"
"大丈夫だ、恭弥。ゆっくり呼吸しろ"
まてまてまてまてまてまてまてまて!!!
どっ、どこまでが夢だ!?
記憶も意識も曖昧すぎて自分のことが分からなくなってくる。
でも夢にしてはいやにリアルに頭に残っている声。
他の人に聞こうにも部屋にいるのは俺と南雲さんだけ。
「南雲さん、俺……」
「言っとくがどこまでが夢か分からねぇとか思ってんなら教えてやる。全部現実だ」
だからなんで何も言ってないのに分かるんだよ!!
「だだだっ、て……おかしいじゃないですか!南雲さん、今まで俺のことガキとしか呼んだことないのに……夢だと思わない方が無理ですよ……」
「恭弥」
「へ?え、あ……?」
「恭弥、返事は?」
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