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にぎやかな教室。
教卓のところに多くの人が集まっていて、笑い声が途切れることなく聞こえる。
うちのクラスはいつもこんな感じ。
僕みたいな例外はいるものの、みんな仲が良い。
ひときわ大きな笑い声が聞こえてきて、本から顔を上げると、予想通り三好くんがみんなを笑わせていた。
三好くんこと三好春馬というのは、僕の恋人……のはずだ。
思わず、勢い余って告白した僕に、付き合おうと言ってくれた。
でも、それは二週間も前の話。
そして、それ以来僕たちは一度も会話をしていない。
やっぱり、からかわれただけなのかな。
楽しそうに笑う三好くんをじっと見つめていると、彼と目があった。
僕の心臓は高鳴ったのだけれど、三好くんはそうでは無いみたいで、フイっと目を剃らされてしまう。
やっぱり、からかわれただけなんだ。
そう思ったとたん、目から滴がこぼれ落ちた。
一度も決壊した涙腺は、そう簡単には元に戻らなくて、次から次へとあふれだす。
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