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テレビ会議を終えて息をつき、傍らのカップにお茶を注ごうとした時、デスクの隅に置いていたスマートフォンから着信音が流れた。
相手は林。彼からの用件は今、ひとつしかない。
『奥様』
彼は一呼吸置いて、私に告げた。
『病院から連絡がありました――旦那様が、みまかられたそうです』
そう、と答えるだけの私。
長かったとしか今は思わない。感慨にひたれるのは、きっと、時間がだいぶ経った頃。
冷たい女かしら。
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