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「っ……ぅっ……」
声が出ない、身体も苦しい姿勢のまま……私、完全に氷漬けになったの……?
苦しくて半開きな目も口も、もちろん指も何も動かせない……。
(……あ、れ……? じゃあ、どうして今……)
――カチカチ、そんな音が“頭の中”で聞こえる気がした。
同時にヒメの声も……何か、フィルター越しのように不鮮明だけど……。
『すみ……せん、三……たさん……多分、中がまだ……』
ああ……遅れて凍るわけね。
……分かるの?
『やはり、先……どの……凍……の影き……が、あ……』
(だめ、段々遠く……)
今回はヒメが居てくれるから……怖さは、あまりないけど……。
体内が凍っていくような不気味な感覚はある。
カチカチ音も、止まらない。
私……過冷却よりワケの分からない状態なのかも……?
『次か……魔ほ…………い分……』
魔法の配分?
まぁ、手探り状態なんだから許してあげる。
私って甘々よね……。
(溶けたら……漫画とかで、意識ある場合のこと……聞こう……)
ヒメが居るだけで、こんなに余裕って、どうなの……。
(……ぅ……くらくらして、眠い? 違う、意識が消え――……)
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