第17話

暗躍する雀と、邪淫な楽天家

【邪淫[ﾙｸｽﾘｱ]】

　中世ヨーロッパ。とある詐欺師により、それを司る悪魔がいる話が作られ世界に広まった、キリスト教によって定められた七ツの大罪の一つ・“邪淫”。

　その言葉の通り、既に生涯を共にする伴侶が居るのにも関わらず、他の者と背徳的な性交をする事である。

　だが、この“邪淫”にあたるRe:setのある一人は、ミッションでの情報収集に性交を活用している。
　その時、相手が成敗すべきターゲットの場合、例え、男だろうが女であろうが、相手の精力を根刮ぎ奪って老化させ、その精力を自分の活力にしてしまう、正に大悪魔・アスモデウスな人物だ。

　しかも、彼はこの時、こういう事を理由として口にする。

「俺はただ、その人にとことん付き合っただけだよ？
　たったの５回だけ昇天したくらいで、真っ白な老いぼれになる方が、よっぽどヘンでダメだと思うよ？

　だって、俺は悪くないもの」

　──と。