暗躍する雀と、邪淫な楽天家

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   洋一、守政、周防が去った読日テレビ直ぐの路上。  テレビ局に警察が集まった事で、興味が湧いた多くの野次馬達に紛れて、一際美しく、男の視線を釘付けにする魅力的な唇と大きな胸に、前髪と後ろ髪を一つに纏めてバレッタで止めた女性がいた。  現在、岩動都知事の秘書であり、壱岐八咫会の幹部。讃岐地 雀[サヌキジ スズメ]だ。  彼女は、漆黒に鳥の模様が描かれたスマホを右耳に当てながら、警察達に囲まれて規制されている読日テレビのビルを見つめ、とても優しい微笑みを浮かべていた。 「空真、夜遅くにごめんなさい」 『気にすンなよ、姉貴。ンで、何かあったのか?』 「えぇ。とても良い情報が手に入りまして。  しかも、空真、貴方にとっては、とても良い事なのですよ」 『へえ。それは、どんな事なんだ?』  空真の促すような質問に、雀はふわりと微笑んで読日テレビ隣の屋上を見ると、其処にいた人影を見て妖艶に嗤った。  “飼い猫”達が、其処にいるのだ。  
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