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賀月の体がベッドに崩れて落ちた。
荒い呼吸のまま、
オレは賀月の背中にキスをするとビクンっと体が跳ねた。
賀月が好きで好きでたまらない。
好きになり過ぎて、異常な行動に出た。
これで終わったとしても覚悟は出来ている。
やろうと決めた時から覚悟はしていた。
賀月がシンドそうにゆっくりと仰向けになりながら痛いと小声で言った…
ぐったり座り込んでいたオレに手を差出した。
「…? 痛い」
オレは賀月の手を見ていた。
『ん、少し…痛い こっち来て…』
オレは賀月の手を掴む。
『オレ、諄太が好きだったの、知ってた…』
って微笑んだ。
その顔は汗をかき、まだ薄らと赤く高揚していた。
乱れた鼓動が更にドキンと跳ね速くなるのを感じた…
『ね、…なんで諄太が泣いてるの?』
汗で光る顔で微笑み賀月が言った。
涙がツーと頬を流れた。
「怒ってるよね、こんなに酷い事して…」
『凄く驚いたけど…諄太がこんな事出来るんだって驚いたけど』
「 … 」
ポロポロ泣けて止まらなかった。
賀月がしんどそうに横になったままオレを見てる…
そのしんどそうな姿に胸が締め付けられるのに…
愛おしく見えて…
「…抑え切れないほど、おかしくなってて、
抑え切れないほど、好きになってて…ほんと、ごめん」
『諄太のが…オレの中に入った時、苦しいくらい下腹がパンパンで、凄い圧迫感で…でもオレの中にお前の入ってるって思ったら…凄く感じてて…』
「…賀月」
『オレの初めてが諄太じゃ無くてごめん、好きだって言えなかった、言ったら終わる気がして怖くて…』
賀月がそう言った。
オレは自分が情けなく思えて、
でも、賀月の言葉が嬉しくて嬉しくて、
お前を誰かに取られるくらいなら壊してもいいって思うほど、
頭の中はお前でいっぱいで…
やり方は間違っていたかも知れなけど…
良かった、受け入れてもらえて良かった…
だから…オレは泣きながら、
今度は賀月がオレに入れてって言った。
賀月は目を細め笑ってから
『痛ッ』って言って頷いた。
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