第1章 ハーレムの迷い猫

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「匠から連絡きたんでしょう?おじいちゃんのこと。おじいちゃんの最後を看取ることができて、良かった…。でも、辛かったよ。こんな時に、一人で泣くのは、辛い…」 瑠生はそう言いながら、また涙が溢れてきた。 「泣かないでください」 「泣きたいよ…」 「抱きしめてしまいそうなので、勘弁してください」 俺は窓の外の方を見て言うと、瑠生は少しだけ頬を赤く染めて、俯いた。 少しだけ、沈黙になってしまった。 余計なこと、言ってしまった。 き、気まずい。 俺はマッシュポテトを、黙々とまた食べ始めた。 「系斗」 「はい?」 「系斗、昔好きな人がいたんでしょ?その人の話、聞いてないんだけど、教えてよ」 「はい???」
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