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「菅野くんならもちろん知ってると思うけど、12月14日はレオンの誕生日じゃない? その日にアポなしで、ビキニでレオンに会いに行くっていうそれは素晴らしい企画なの。
ロンドンからハリウッドまで追いかけるのよ。サイト内ではビキニ祭って呼ばれててね……」
自分を無視して一気に話すりおに、シンはこれ以上この話題を真面目に聞いていいものか悩み始めていた。
「ちょっと、菅野くん、聞いてる?」
「あ、ごめんごめん」
「でね、参加するのはいいけど、せっかくレオンに会っても英語が喋れないから悩んでるわけ。樹利さんも同行するらしいし、通訳には困らないと思うんだけど……」
「え、樹利さんも参加!?」
レオンを追いかけて2カ国を渡るなんて不思議な企画に樹利が参加することがシンには驚きだった。
そもそも冷静に考えると、樹利がいるのなら、事前にレオンに連絡さえすればわざわざ2カ国渡る必要もない気さえする。
しかし、いつもレオンをからかって面白がっている樹利を知っているだけに、この冗談のような企画に真面目に乗っていてもおかしくないとも感じた。
「そうなの。まだ予定の段階らしいけど、9割確定って噂だから」
「へぇ。でも樹利さんがいるなら言葉の心配はいらないと思うよ」
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