大切なあなたへー2

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「ハル、 ハル…? おにいちゃん?」 ハルは 少し笑ってた気がする 僕がまだ 小さかったころのこと あとは ほとんど覚えてない ハルは 僕の2つ上のおにいちゃん この時の事故で死んじゃった 僕も いっぱいけがしたけど ハルのおかげで 元気だ あの日 いつものように ハルと遊んでいた 楽しくて つい 家から 道路に飛び出したみたいなんだ ハルは僕を止めようと走ってきた そして 僕をつかんだとき なにかが僕たちに ぶつかった ふっと目を開けると ハルが血だらけだった 「ハル?ハル?」 ハルは目を少し開けて 「大丈夫か?」 僕は けがしてるのわからなくて 「大丈夫だよ」 「そうか よかった… おまえは 少しアワテンボすぎなんだよ 気をつけろ 道路に飛び出しちゃいけないよ 約束! それから 妹たちのこと 頼むな あと お母さんのこと 自分のせいだって泣くから ちがうって 伝えて あと おかあさん 泣き虫だから そんときは 背中とんとん してあげて そしたら 泣き止むから おかあさんが にこにこしてないときも 背中とんとんしてあげて おかあさんが 叱る時は だまって聞いて ごめんなさい するんだよ もっと おまえと遊びたかったな おにいちゃんは いつも おまえのみかた 忘れるな! なんだか 眠いな… おまえは 寝るなよ」 ハルは そう言って眠り始めた 僕も 眠くなってきた… あれ? おかあさんがなにか言ってる なんて言ってるんだろ… 僕は 眠っちゃいけないんだ ハルとの約束 でも 目 あけてられない…
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