愚痴聞きバー

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愚痴聞きバー

「ねぇ…聞いてる?」 「聞いてますよ………先生……失恋も人生には必要 なんだと思います…だからそう落ち込まないで 下さいよ…………」 此処はとある愚痴聞きバー。一人の男はやけ酒と愚痴でもう一人の男がその全てを受け止めて居た。 「そうだ……この経験を小説にしよう……。 映画監督に想いを寄せる一人の小説家……しかし 至福の時間はある噂で崩れ去る。映画監督に 熱愛報道が出てしまい、相手は大女優………。 どう?読んでみたい?」 「読んでみたいですけど…………」 分かってる。分かってるんだ。今このタイミングでその小説を世に出せばまるで当て付けになる。 でも、もう浮かんでしまったのだ…これも小説家としての性だ。あぁ………虚しい。 「じゃあ、明日から執筆活動に入るから」 「先生がそう仰るなら…………」 さぁて……っと、ラストシーンはどう展開しようか な…………。
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