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「浅間君、立候補が恥ずかしいのであれば推薦で良いのだよ」
――今の発言は学年主任からだったんだけど……
「えっと……え?」
――学年主任は教頭の笑顔に無理やり合わせて笑顔になっているような……
「浅間君に懇意を抱いている人から推薦してもらいなさい」
「っていうか、あの……はい?」
――いかにも意味ありげな笑顔っていうか、一種ヘンテコな笑顔でボクに語り掛けている学年主任みたいな……
教頭の顔色を伺いながら、相も変わらず学年主任は、
「ですから、クラスメイトの誰でも良いので、浅間君を推薦してくれる人を募って、浅間君は生徒会長に……」
なんて、見るからにヘンテコな笑顔のまま、まるで事前に用意されているシナリオを丸暗記して棒読みするかのような言葉をボクに向けていたのだった。
「えっと……え? ボクは生徒会長になる人を推薦するっていう、そういう役目を果たすんじゃないんですか?」
「浅間、あのな……お前が生徒会長をするんだって言ってるのに……お前が他人を推薦してどうするっていうんだ?」
――どうするも、こうするも、ニッチもサッチも……
「三浦先生……ボク、訳ワカンナイんですけど……」
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