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「…まったく、君は……」
呆れたように言いかけたのは、黄道 潤(おうどう じゅん)警部。歳は美沙より3つ年上の24歳だ。
「君は何度、揉め事を起こせば気が済むんだ?」
「…わたしが揉め事を起こしていたって…誰がそんなこと……」
ふたりのこのやり取りは
すでに毎日の日課のようなものだ。
そして
決まって彼に美沙のことを報告しているのは……
「…まさか? また……」
「ああ。いつもの通り、峰岸くんだ」
ーーくっそ…峰岸…!
「今度は覆面パトカー相手か。君には騒動を起こさない日はないのか?」
「だって…あの人たちがルールを守らなかったからで」
「…ルール?」
「……」
「それはーー」
黄道は小さく溜息をつく。
「ーー君、ひとりの概念だろう?」
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