夏休みのデート

4/44
1922人が本棚に入れています
本棚に追加
/308ページ
恋人になることを受け入れたけど、これは思っていたよりもずっとキツイ。 何がキツイって、精神的に来るものがある。 だって、俺のこの気持ちは一体どの位置に置いておけばいいの。 受け入れたけれど、本心では距離を置いてる訳で。 でもそれを悟られないよう上手くかわさなきゃいけない。 デートなんて響きが嬉しい反面、酷く後ろめたい気持ちが湧いて来る。 安定してないな、ずっと。 恋人だなんて言われて、キスをされた時からずっとだ。 せっかく達観出来たと思ったのに問題は新たに湧いて来るばかり。 一体どうしろってんだよ、もー。 知らず漏れた溜息に後から気付き、まずったか、なんてチラリと壮太郎を見返せば何だか神妙な顔付きのまま一点を見つめている。 こんな風に思い詰めた顔をしている時、大抵こいつはロクな事を言わない。 言わないんだよ、ほんと。 「…………ーーーー、遊園地に行きたい」 ほんと。 何でそーなの、お前。
/308ページ

最初のコメントを投稿しよう!