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「ら、頼さん夕飯作りませんか?」 「ふぅむ」 「駄目ですか?」 「うん、可愛いからいいよ?」 「?!」 頼は美海に後ろからキスすると、満足げに離れていく。 「頼さん、何でキスしたの?」 「美海が可愛いからだよ」 「それは理由になっていない気がしますけど?」 「ふふっ それより、何が作れるの?」 「頼さん何が好きです? あっ!」 「ん?」 「私はメニューには入りませんので然り」 「ほぅ。 そう来ましたか? なら、ビーフシチュー食べたいな」 「ふふっ 頼さん手伝って下さいね?」 「いいけど、ご褒美頂戴ね?」 「?」 美海はご褒美とは何の事か分からずにいたが、頼はフッと嬉しそうに笑うだけだ。 「よしっ 後は煮込むだけですね?」 「美海、料理上手だな?」 「頼さんも手慣れたもんですよね?」 「フッ 独り暮らしですから」 「あ、そうですよね?」 「美海も今は独り暮らしだけど、寂しくなかった?」 「そうですね? 確かに寂しい筈ですが、ルナも居るからかもしれませんね」 「ふぅん でも、今日からは俺も居るから寂しくないね?」 「うん、そうですね?」 「美海」 「はい?」 美海が何気なく頼の方を見ると、顔がすぐ近くにあり思わず飛び退いてしまう。 「逃げなくてもいいじゃん?」 「逃げたんじゃないです! ビックリして思わず…」 「まあ、いっか」 「え?」 「今日から美海に毎日引っ付ける訳だし」 「なっ!」 「美海、こっち来て?」 「な、何するんですか? まだ調理の途中ですよ?」 「ほら、早く」 「うぅ… 頼さん話聞いてくれます?」 「いいから、早く来る! カウント入れちゃうけどいいんだな?」 「なっ?! 駄目ですよ、そんなの!」 美海はパッと頼の方へと向かうと、勿論抱きつかれて確保されてしまう。
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