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神向 美海は、その容姿故にストーカー被害に悩まされており男性不振になっている。 「神向!」 「千葉くん、どうしたの?」 「あのさ? 神向ってストーカーに遭ってるって本当?」 「誰かに聞いたの?」 美海が困った顔でそう尋ねると、千葉 斗真(チバトウマ)はフッと微笑むとこう告げた。 「噂になってるから、心配してたんだ。 神向、一緒に帰らない?」 「えっと? 何で千葉君が私と帰る事になるのかな?」 「そんなの…」 「美海!」 「あ、星南!」 「千葉君、美海に何か用かしら?」 「一緒に帰らないかって誘ってたんだけど?」 「ふぅん? 千葉君って美海を好きなの?」 椎名 星南(シイナ セナ)はコソッとそう尋ねると、斗真は顔を赤らめてしまった。 「し、椎名さん?!」 「ふふっ 千葉君って美海がタイプだったのねぇー」 「あ、あの… 内緒にしてくんないかな?」 「いいけど、その代わり… 美海が一人にならないように協力してくれないかしら?」 「ストーカーされてるんだろ? それは当然協力したいんだけど…」 「なら、交渉成立ね?」 星南が珍しくニコッと微笑むと、斗真はビックリした顔で呆気に取られてしまっていた。 「椎名さんって笑うと可愛いんだね?」 「えっ?」 「いつもクールだから笑わないのかと思っていたから驚いた」 「そ、そんな風に思われてたなんて…」 「でも、今みたいに笑っている椎名さん素敵だったよ? いつもそうしてたらきっと… あ、ごめん」 「うん、そうよね?」 星南はフッと微笑むと、美海はギュッと腕にくっついてくるので頭を撫でてやった。
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