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「そろそろ眠ろうか。一人用のテントで手狭だけど……無いよりいいよね。このあたりは風が吹くと砂煙がひどいから」
少しだけ緊張したけれど、わたしは痛む足を引きずって、カイトについてテントの中に入った。
なんとか二人並んで横になれたが、両端に寝てギリギリ体が触れないくらいの狭さだった。彼が少しでも動くと身体が触れて、緊張した。
「……セシル」
暗闇で彼の声が耳元で聞こえた。
「な、なんでしょう!?」
カイトにまで聞こえるんじゃないかと不安になるほど、心臓が大きく鳴る。
「どうして一緒にいてと言った? 君はおれが犯罪者だって知っているんだろう。君はおれの顔を初めて見た時、ひどい顔をしたぞ」
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