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◇◇◇◇◇◇◇◇
翌日は炎天下だった。灼熱の太陽に肌を焼かれないよう、わたしは布を隙間なく身体に巻き付けた。
カイトは一頭しかないふたこぶラクダにわたしを乗せて、自分はその隣を歩いた。
「ごめんなさい。お荷物になってしまって……」
「いいよ。可愛い荷物だからね」
軽口を叩かれて、顔が一気に熱くなった。ターバンで頬まで隠していて本当によかった。
「……女の子の扱い、慣れていますね」
「妹がいたからかな」
「いた?」
過去形なのが少し引っかかった。
「……するどいね。妹はいなくなってしまったから、今はいない」
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