出席番号 6番と4番と36番

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昨日の夜は今日が来なければいいと何度願った事だろう。 だが俺の願い空しく、夏休みは昨日で終了してしまい今日からはまた学校に行かなくてはいけない日常に戻ってしまった。 でも登校日に季節外れのインフルエンザを発症して休んでいた俺は、クラスメイトと顔を合わせるのも一ヶ月振りなのでそこはとても楽しみなのだが……。 本当なら登校日に会って『お前それどう見ても黒染めしてきただろ!』とか『その耳の絆創膏はピアスだろ!』とか言い合いたかったのだけど。 今日会うクラスメイトは少し肌の色が黒くなっているくらいで、休み前と変わらない風貌だ。つまらない。 俺はと言えば宮田と偶然会ったプール以降、これといったイベントは起きず、特別な場所にも出かけず、家で母さんの手伝いをしたりゴロゴロしたり宿題したりでつまらない夏休みを過ごしてしまった。 母さん曰く『夏にインフルエンザを発症するなんて面白い夏休みじゃない』とのこと。 全然面白くなかったけど、俺は。 だが、そんなインドアな夏休みを過ごしていたと言うのに俺の肌はこんがり綺麗に焼けている。 と言うのも、母さんが掃除をしている時は家に居場所が無かったので屋根の上が俺の居場所になっていた。 そこで休みながらゴロゴロしていた俺はある日そこで寝てしまった。 夕飯の時間になっても姿を見せない俺を心配して、探し始めた母さんが俺を見つけた時には時すでに遅し。 仰向けで寝ていた俺は見事上側だけ焼けてしまったのだ。 裏側……つまり背中側は真っ白。 家族に昔のアニメのキャラくーたみたいだとからかわれ、爆笑されながら俺が思ったことは『明日はうつ伏せで一日寝よう』だった。 次の日決意通りにうつ伏せで寝た俺は、目論見通り両面綺麗に焼く事が出来たのでした。 これといった夏らしい行事をしていないくせに『肌だけ』は夏を満喫した感じになっている俺。 実際にはインフルエンザに罹ったことくらいしかビックイベント無いけれども。 「おはよ。柿崎」 残暑を感じる9月だというのにこの男が近づけば7月っぽくなるのは何故だろう。 いや別に7月と断定するわけではなく、こう笑うだけでキラーンって歯が光りそうな爽やかな空気になっている。 その爽やかな季節がピッタリと当てはまるのが俺的に7月ってだけの話で……。
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