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「サラはね、自信がないのよ。どうやったらあなたみたいに自信満々でいられるのかしら」
「むかし僕が言ったろ。天才を演じ切ると、天才になれるとね。僕が生涯をかけて明かした真理だ」
ああ、そう――そうだった。あなたがいうと説得力がある。
天才を演じ切る、か。何だか不遜で末恐ろしいものがあるけど、面白そうな考え方。
「やってみようかな、私。思い込んでみたい」
「そうとも。同じく生きるなら、自分を信じられる人が幸福なんだ」
「そうね」
私たちは笑いあった。
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