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その後 編
もぉ、やだっ!
今年も残すところ四日となった、この日。
ようやく年内の仕事が終わり、
これから久しぶりに彼女とのベタラブな日々がやって来ると
確かに俺は、完全に浮かれていた。
だから、
「ただいま」
暖かな玄関に入ると、施錠するのもまどろっこしく感じるほど
急いで彼女のいるキッチンに駆け込む。
そして、「お帰りなさい」と微笑む彼女を、
カバンなんかその辺に放り出して、抱きすくめた。
「やっと休みだよぉ」
もう、彼女の顔中にする勢いでアッチコッチにチュッチュしてる俺に、
「お疲れさま」とクスクス彼女が笑う。
「つぐみ、今夜からいっぱいラブラブしような」
そう言って小さく唇を啄むと、「うん」とはにかんで頷いた彼女も
小さくキスを返してくれる。
ところが、
「じゃあ明日はさ、一日中ベッドでイチャイチャしようか」
そう言ってまた唇を啄もうとした途端、彼女が、わずかに体を仰け反らせる。
「潤ちゃん、そんな事してる暇ないわよ?」
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