11.魔王…ねぇ…

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目の前には、転移魔法陣で飛んできた王女が、手を俺の目の前でフラフラ振ってる。 感覚離脱を解除して一発目の景色がコレだ。 「楽しめました?とりあえず無事な様子…」 俺がそう言ってやると、王女は顔を真っ赤にして、俺の目の前の手を引っ込める。 「い…いえ、何の反応も示していただけないので… ひょっとして亡くなっているのでは?と心配になりまして」 …どうも彼女の中では俺は死んでいたらしいね… …もう死ぬのは御免なんだが… 「先程まで、俺は感覚… 視覚と聴覚を、貴女の近くに飛ばしていたんです。 貴女を転移させた後、魔法陣の魔力を消す目的と、時間稼ぎの目的で、牢を爆破してました。 なので、転移と私の感覚が戻るまでの、時間差があっただけです」 俺の言葉でようやく理解できたのか、目の前の王女は静かになる。 「ともかく、座りません? そこにテーブルあるんで」 俺が指さす先にはテーブルとイス。 王女は俺の指さすままに座ったよ…テーブルに… 「…………天然ですか…そうですか…」 俺の言葉でようやく自身のミスに気付いたようだ… 「こ…コレは…気が動転していて…」 王女が慌ててテーブルから降りると、椅子に座りなおしていた。
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