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「ほら、飲め。俺ももらうから」
その横に水を注いだコップを置いた伊崎に、
「ねぇ、伊崎。パソコン得意?」
と聞いてみる。
自分のコップの水を一気飲みした伊崎は、「あ?」と言って、私の視線の先のパソコンを見た。
私はよろけながらベッドから下り、テーブル前のクッションに座る。
そして、フォルダを開き、作成途中の表を表示させた。
「おいおい、会社のだろ? 守秘義務守秘義務」
「ただのフォーマットだから大丈夫だよ。てか、ここに打ち込んだ数字をここに反映させた上で、このシートとこのシートにも飛ぶようにしたいんだ。そんで、こっちのグラフには……」
顎に手を置きながら無言で聞いている伊崎をいいことに、私はベラベラと話しながら人差し指で画面を指す。
そして、ひと通り話し終えると、私の横から画面を覗き込んでいる伊崎の顔を見た。
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