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「おい、だから飲み比べなんかしねーっつっただろ。重ぇんだよ、お前」
結局、会計は伊崎持ちだった。
千鳥足になってしまった私の腕を肩にかけて支え、ようやく自分の部屋に送ってもらったところだ。
私の部屋には何度か入っている伊崎は、当たり前のようにベッドまで運んでくれる。
「サンキュー。愛してるよ、伊崎」
「はいはい。俺も愛してるよ」
冗談を交わして手を離した伊崎は、「あー、疲れた」と言って伸びをする。
「水あるか? 冷蔵庫開けるぞ」
「どーぞー」
前回以上に酔っぱらってしまった。
でも、フワフワして心地いい酔いだ。
私は寝返りを打ってテーブル側に体を向ける。
「あ」
テーブルの上には、ノートパソコンが置きっぱなしになっていた。
スリープ状態で真っ暗だけれど、開いたままの黒いディスプレイに私の影が映る。
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