721人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
改めて熊野御堂は透き通っている床下を見ていた。
そこで九九が奇妙な動きを始める。
『とり天たべたら もう 夢チュー!』
と、唇をアヒルのように突き出しながら口ずさんでいた。
熊野御堂は、『好きだっちゃ! とり天』という歌だと気がつく。大分県のソウルフードである『とり天』を全国に発信する為の歌だ。
『とり とり にわとり てん ててん てんぷら さいこーだっちゃ!!』
と、唄いながら両腕をボクシングでもするように構えて両脇を開けたり閉めたり動かしていた。
ひょっとしたらあの奇妙な動きはダンスなのかもしれない。
……そして、厚いガラスが熊野御堂と九九の間にある。
最初のコメントを投稿しよう!