第一章 シャマイン

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「何の為にそんなことを……」  熊野御堂は指先で顎に触れた。 「そう! そこが分からないんだよね。飼い主を悲しませているだけだから……。それが目的なのかな?」  春も同じように指先で顎に触れ、熊野御堂に視線を送る。 「被害にあった飼い主の数は?」 「えっと。今の所は九名だね」  春が上目遣いになった。記憶しているらしい。 「共通点は?」  と、熊野御堂は続けて訊く。 「特になし。知人同士でもない。ただペットの種類は偏っているよ」  そう言った春がタブレット端末の電源を入れる。
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