竜のおじいちゃんターン

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ひゅーん。 ぼて。 「「・・・」」 無言で回復してくれるバカップル。 あ、ひかれてる。変態バカップルにひかれてるってショックだな。 むくり。 立ち上がった僕に呆気にとられたような表情の爺さん。 「・・・呆れたもんじゃ。 頭骨、鎖骨、肋骨、腕、足。 骨を砕き、腸を裂いたんじゃがな。 傷が回復するのはわかる。スパイどもが優秀じゃて再生してもらえるじゃろう。 だがなぜ耐えられる?なぜその想像を絶する苦痛に耐え、平然と立ち上がれる?」 再びのどや顔。 「・・・言ったでしょう? 僕の新スキル。 痛みを乗り越えし者ペインキラー。 ですよ。」 「耐えた、耐えられるというのか?」 肩を竦める僕。 「いいえ? 痛みを中途半端にしました。 骨を砕かれるほどの痛みを、ただ殴られただけの痛みに。 腸を裂かれた痛みを、ただ殴られた痛みに。 それが、 ペインキラーです。」 どやー。 「・・・防御力が上がったんじゃなくて、精神力が増えたんじゃなくて、ただただ痛みを平均化したってこと? それってやっぱり変態だよね!」 ひゅーーー。 ホヒトの声に部屋のなかだというのにしらけた風が吹いた。
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