File.1「浮遊霊のいない生活」

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[期間] 2月9日~8月13日 [依頼人] ・依頼人A 名前:匿名 性別:男性 年齢:30歳~40歳(推定) 職業:会社員 備考:特になし ・依頼人B 名前:匿名 性別:女性 年齢:30歳~40歳(推定) 職業:専業主婦 備考:特になし ・依頼人同士の関係性 夫婦 [依頼内容] 8月3日にて成仏した息子の現状確認 [経緯] ー2月9日 依頼人夫婦の一人息子が車に撥ねられ死亡。事件性はなく交通事故として処理される。 ー2月10日 依頼人夫婦の前に、息子の浮遊霊が出現する。 依頼人夫婦の証言ではこの浮遊霊には下記の特徴が確認されている。 ・7月1日の除霊が完了するまで依頼人夫婦の自宅にて断続的に出現。 ・浮遊霊により依頼人夫婦が精神的または肉体的に悪影響を受けた痕跡は一切無し。 ・依頼人夫婦が話しかけると浮遊霊はニッコリ笑うなどの反応を見せる。 ・依頼人夫婦以外は浮遊霊の姿を確認することができない。 ー7月1日 依頼人夫婦はとある世間的に有名な除霊師に息子の除霊を依頼。 除霊師は一定の金額を提示し、依頼人夫婦は承諾。 ー7月2日 除霊は滞りなく遂行。 以降、依頼人夫婦の息子の浮遊霊は姿を見せることがなくなる。除霊師曰く「浮遊霊は墓標の中へと戻り、今はそこで安らかに眠って居る」 ー8月3日 月に1回の墓の清掃において、依頼人夫婦はある違和感を覚え始める。 依頼人夫婦曰く「墓標を訪れるとまるでそこに息子がいるかのような感覚になってきたのです。」 ー8月11日 依頼人夫婦が当探偵事務所を訪れる。 依頼人夫婦の相談内容は下記の通りである。 ・浮遊霊の頃と違い実態として姿が見えない為、息子に本当に自分の声が届いているのか確認したい。 ・可能であるならば息子の様子を知りたい ー8月12日 依頼完了。 依頼人夫婦から当探偵事務所の口座に所定の金額が振り込まれたのち、依頼人夫婦と連絡が取れなくなる。 ー8月13日 依頼人夫婦の息子の除霊を行った除霊師が、自宅にて殺害されているのが発見される。 犯人は未だ不明。
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