卒業

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卒業式当日は、気持ちよく晴れた。 今日で学園生活も終わり。 卒業生が集まった講堂では既に泣き出す生徒がいたり、前途を思ってソワソワする生徒がいたりで、どことなく浮わついている。 一方、貴族クラスである3年1組の面々は落ち着いたものだ。 ほとんどが家に戻ることになるため、今後の社交場で再会できることが分かっているのである。 「―これより、卒業式を執り行います。」 アナウンスが流れ、講堂内がシン・・・と静まる。 「まず初めに、学園長からの挨拶です。」 入学式もそうだったが、学園長の挨拶は手短だ。 学園生活を糧に今後も邁進(まいしん)して欲しい旨話すと、壇上を降りた。 「続きまして、イートック殿下からの挨拶です。」 イートックはオージアスの従兄弟に当たる。 オージアスは昨年、戴冠式を経て国王となった。 と同時に結婚式を挙げ、王妃を娶(めと)り、妻帯者になっていた。
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