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「印貢、本当に応援に来てよ。
今週末に練習試合がある、俺達の高校のグランドだからさ」
俺が行くのはいいが、征響が嫌がるのは分かっていた。
今までいなかった弟が、突然沸いて出たのだから、周囲への説明も面倒であろう。
「……いや……怒られそうで」
「ならば、俺の応援に来い!」
俺が秋里の顔を見上げると、朝日が眩しかった。
俺が眩しさに下を向くと、秋里は頷いたと勘違いした。
「よし、必ず来い」
訂正できずに、俺は歩き去る秋里を見送ってしまった。
「行くのか……俺」
時計を見ると時間がない。
俺は自転車に跨ると、寺の路地を走りきり、そのまま階段の淵を使って下まで降り切った。
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