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私のデスク横に佇む、部下がふたり――仕事がバリバリ出来まくる江藤と、新入社員の中で、最悪に仕事が出来ない宮本が立っていた。
そんなふたりをひと睨みしてから、デスクの上に置かれている13,786円と書かれた、領収書に視線を落とす。
「休日を使って、わざわざこんな領収書のためにウラを取りに行くのは、江藤らしいといえばそうなんだがな……お前は、マルサでも警察でもないんだぞ。ウチのいち社員に過ぎん」
「お言葉を返すようですが、営業一課の問題を起こした部長は、地方で接待と言いながら、不倫相手と密会を何度も重ねていたようなんです。ですので、その領収書一枚だけとは限りません」
流暢に語る江藤を見てから、隣に並んでいる宮本を見てやった。私と目が合った瞬間、どうしていいか分からなくなったのだろう。途端に落ち着きをなくし、視線を彷徨わせる。
「なんだ、宮本。何か言いたげに見えるが? 弁解の用意くらい、出来ているのか?」
いつもコイツは、私の顔を見るたびにおどおどして、何もしていないというのに口を開くたび、すんませんしか言えないバカ社員のひとりだった。
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