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クライスが今、あのライターに火をともし給油口に入れてしまえば車は爆発し、中にいる部下たちは木っ端みじんである
当然クライスだって助かりはしない
くそ!とギースは先ほど大丈夫だと思ってしまった自分を責めた
クライスは、まだあの狂気にとらわれているのだ
「・・・おい、てめえ、何持ってるんだあぶねーだろうが。
車爆発するぞ?こんなところでキャンプファイヤーしても詰まんねーだろうが」
ギースはそうやって睨んでライターを奪い取ろうと冗談交じりにクライスとのキャリを詰めていくと
「あは、、、、あはは・・・・・」
クライスは力なく、ケタケタと笑い始め給油口の口を開けてライターに火を入れた
「・・・おい、やめろ・・・・冗談する暇なんてねーんだぞ・・・」
もうこの状態でさえ、ガソリンが気化して引火してもおかしくはない
「・・・・・ははは」
それでもクライスはおかしそうに笑っているのだ
「きーてんのか!クライス!」
ギースはもう考えることはやめて全力疾走でクライスの体へ組み付こうとした
しかし、その決断は少しばかり遅く
クライスは笑いながら涙を流してライターを給油口に放り投げた
「たい・・・・ちょう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・助けて・・・・・・!」
どおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんんん
その途端、車はものすごい音と共に爆発しギースを吹き飛ばしたのだった
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