644人が本棚に入れています
本棚に追加
/408ページ
今までの
パターンと同じで
どの言葉も嘘くさくて
信じるに値しない言葉なのに……
どうして
こんなにも
彼の言葉に惑わされるのか
自分自身のことなのに理解できないでいた。
「そういえば、七瀬さんって企画部ですよね?」
「そうよ。」
「じゃあ、俺は希望部署の欄に企画部って記入しますね。」
「は?ちょっと待ちなさいよ。まだ、仕事すらしてないし、なによりも他の部署も見てないじゃない!」
せっかく
各部署を体験して
自分にあった
仕事や部署を選べるのに
それでは今回から新しく
始まった試みが意味を成さなくなる。
「いいんですよ。」
「全然良くないわよ。仕事は学校とは違って甘くないのよ?もっと真剣に」
「だって、他の部署には七瀬さん、いないでしょ?」
「……」
彼の言葉に思わず
お説教の言葉も止まる。
なんなの、この子……。
「俺は、七瀬さんと仕事がしたい。だから、企画部でいいんです。というか、企画部じゃないとダメなんです。」
そんな
くだらない理由で
仕事を選んでいいのだろうか。
でも
本当の私を知ったら
芹沢くんだって私から離れていくの……。
一時の気の迷い。
現実を見て
目が覚めた時には
きっと彼だって
今と同じようなことは言えないから------。
.
最初のコメントを投稿しよう!