① まばゆい君…

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暖(はる)…… お前がオレの事を友希(ともき)って呼ばなくなって、 どれくらい経つんだろな。 県営住宅で隣同士だったふたりの家。 うちは母親と二人暮らしで、 暖は父親と二人暮らしだったな。 オレたちが仲がいいから、 運動会や学芸会、親参加の学校行事は、 いつも、うちと暖んちは一緒だったな。 暖のお父さんが出張で家を空ける時は、 うちに泊まり一緒に寝たりして楽しかったな。 兄弟のいないオレたちは、 ほんとに仲が良かったよな… ずーっと仲のいい友達、 親友でいられるって思ってたのに… オレたちがもうすぐ中学生になるって時、 いつもの様に4人で、ご飯を食べに出掛けたよな。 どこに行くのか楽しみで、 いつもより少しオシャレをさせられたオレ。 いつものファミレスや焼肉屋じゃ無いお店。 暖のお父さんがオレたちに、 「好きな物を頼んでいいぞ」 って嬉しそうな顔で言ったのを 今でもハッキリ覚えてる。
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