⑮ まばゆい君へ

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※※ 昼過ぎの暑い中家を出た。 出た途端ジリジリと肌が焼ける陽射しにうんざりする。 『あちぃ』 友希が家を出てすぐに文句を言い出した、 「友希がプール行こうって言ったんだろ」 学校の最寄りの駅での待ち合わせ。 高校はみんな色んな所から通って来るから高校のある駅が1番分かりやすいし使い慣れた場所。 友希がオレにへばり付き、 『暑い…』 「暑いならくつくなよ、暑苦しいなー」 『ひでぇ、暑苦しぃは無いだろ』 「マジ暑いからくつくなって」 ってオレが言うと更にくつく友希。 (うぜぇし暑い) 「もぅ暑いよー 」 友希を引き剥がし、 「お前さ、肌弱いんだから日焼けすると大変じゃないの」 『ぅん、そんなんだけど焼けないように気をつける』 電車に乗ると冷房が効いていて汗がスーッと引いていく。 降りる頃には外の暑さを忘れる位快適だったのに… 電車を降り足早に本屋に向かう。 自動ドアが開くと冷たい空気が流れ出てきて、 また汗が引く感じが気持ち良かった。 「あれ、 みんないる?」 『いるな、バラバラに本見てるし』 って言って友希が奥へ歩き出す… その先を見ると江原が本を広げて見ているのが解った。 真っ直ぐに江原の横まで行くとお尻を叩いた。 「痛、なんだ友かぁ」 『なんだじゃ無いよ、入口付近にいろよ』 って言って周りをキョロキョロする友希。 少女コミックの前に仲間と横山が居てオレに気づき、 「暖君久しぶりー」って、 言って手にしていた本を棚に戻す。
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