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「―――ん……」
ぽかりと意識が覚醒する。
瞼を開けば、
ほの白く明るんだ室内に日の出前と知る。
傍らの温もりに視線を転じると、
そこには眠る秋月の顔……安らかな寝息。
夏目の口元に、
知らず笑みが浮かぶ。
薄手のTシャツの肩から落ちかけていた上掛けを引き上げれば、
秋月がうっすらと瞼を開いた。
「あ……すみません」
起こしてしまった?と夏目が腕を引っ込める。
んん、
とまだ夢うつつのまま、
秋月が顔を寄せてきた。
胸元にごそごそと潜り込まれて、
夏目が擽ったそうな笑いを零す。
「……もう、
朝か?」
夕べの余韻で少し掠れた、
半覚醒の眠そうな声。
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