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「まだ早いですよ……今日はお休みだし」
寝てて、
と。
背中に回した腕で、
夏目が赤子をあやすようにぽんぽんと軽く叩く。
額に落ちた唇が笑みの形に緩むのを感じて、
秋月が瞼を開いた。
「なに……どうかしたか?」
「あのね……夢、
みてた」
囁きに、
夢?と秋月が聞き返す。
「うん……俺がこの店に来たばっかりの頃の……」
懐かしかったと夏目。
「……あの頃はいろいろあったな」
夏目の掌にまだ薄く残る傷。
自分の肩を抱くその手の上に、
秋月がそっと自分の手を重ねた。
「あれからずいぶん経つけど、
秋月さんは全然変わらないね……真っ直ぐで、
キレイ」
頬にかかる甘い色の髪を掻き上げて、
睦言めいた言葉を紡げば、
秀麗な眉がつと寄せられる。
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