8 coffee

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 それから再び、湯を入れ直して普通に風呂に浸かった。  そしてバスローブ一枚だけ身に着けて、ムードもクソもない馬鹿げた会話をしながら ルームサービスの食事に舌鼓を打つ。  それもまたなんとも間抜けで、僕たちらしいと言えば僕たちらしい。  ベッドの上で缶ビールで乾杯、食い散らかして飲み散らかして、バラエティ番組が付いていることも気にせずまた抱き合った。 「そういえば、なんでわたしがあのワンピース着たいって分かったの?」 「あー……。実は前に、伊月さんがショーウィンドウの前であのワンピースに見入ってるところを遠目で見かけたんですよね。似合うだろうなーって」 「嘘つけ」 「……まあ、意外ではあったけど、ドレスアップしたら着こなせるだろうなと思いました」 「ありがとうね。絶対に着ることないと思ってたからびっくりして、お礼言うの忘れてた」 「明日、あれ着てちゃんとデートしようよ。琉斗、何時に帰るの?」 「四時前に迎えに行くって言ってあるの。だから三時までなら大丈夫。着替えとかないとさ、あんな服で迎えに行ったら具合悪いでしょ」 「髪は?」 「髪は仕方ない」 「三時までシンデレラだね」 「三時になったら魔法が解けちゃうのか」 「日曜日は?」 「本当は休みなんだけど、店に出る予定」 「じゃあ俺も行こうかな」 「手伝ってくれるの?」 「いや、モーニング食べに……」
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