第5章 新たに得たものと失ったもの

44/44
21人が本棚に入れています
本棚に追加
/486ページ
 夏休み最終日も部活に参加した。  走って汗を掻き、走って風を感じる。  山下くんの詩のように、頑張れば頑張った分だけ前に進める。  走れば走った分だけ速くなる。  どんなに急な坂道でも、どんなに長い坂道でも、顔を上げて進み続ければ、登りきることができる。  もう後ろは振り返らない。  前だけを見つめて走り続ける。  未来の可能性を信じて。  私には、走るという大きな楽しみがある。  走っているときは無心になれる。  気心の知れた仲間と一緒に走れる喜び。  走っていれば、私は大丈夫。  そう自分に言い聞かせながら、長い上り坂を一気に駆け上がった。    このときに見える青空は、最高に美しい。
/486ページ

最初のコメントを投稿しよう!