第3章 サイパン島での生活

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第3章 サイパン島での生活

≪1944年5月30日≫ 【第31軍司令部】 それは突然起こった。突然すぎて何がどうしたのかわからなかった。 「中将、入電です」 通信兵が部屋に入ってきた。 「うむ、どうしたのかね」 「実は先ほど海軍偵察機の彩雲が周囲の偵察に出かけたところ、 マジュロ環礁に米軍の艦隊が集結していることが確認できました」 米軍の艦隊?一体なぜ…ただの遠征か?それにしてはマジュロ環礁はおかしい… 上陸部隊が居ればパラオ方面に攻撃する恐れがあるな。 「通信兵。上陸部隊が駐留している報告はあるか?」 「いえ、そんな情報は受けておりません。ただ…」 通信兵は少し言いずらそうな顔をしている。しかし覚悟を決めたのか、口を開いた。 「正規空母2隻と軽空母4隻の計6隻の空母を確認したとの報告です…」 空母だと…それだといつ空爆されてもおかしくはない。 「わかった、彩雲には帰還命令を。それといつ攻撃されるか不明なため、 全航空部隊に待機命令を出しておけ」 「了解しました」 通信兵は私に敬礼すると部屋から出て行った。 「さて…どうするか」 私は今後の作戦を考えることにした…
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