4人が本棚に入れています
本棚に追加
/95ページ
第3章 サイパン島での生活
≪1944年5月30日≫
【第31軍司令部】
それは突然起こった。突然すぎて何がどうしたのかわからなかった。
「中将、入電です」
通信兵が部屋に入ってきた。
「うむ、どうしたのかね」
「実は先ほど海軍偵察機の彩雲が周囲の偵察に出かけたところ、
マジュロ環礁に米軍の艦隊が集結していることが確認できました」
米軍の艦隊?一体なぜ…ただの遠征か?それにしてはマジュロ環礁はおかしい…
上陸部隊が居ればパラオ方面に攻撃する恐れがあるな。
「通信兵。上陸部隊が駐留している報告はあるか?」
「いえ、そんな情報は受けておりません。ただ…」
通信兵は少し言いずらそうな顔をしている。しかし覚悟を決めたのか、口を開いた。
「正規空母2隻と軽空母4隻の計6隻の空母を確認したとの報告です…」
空母だと…それだといつ空爆されてもおかしくはない。
「わかった、彩雲には帰還命令を。それといつ攻撃されるか不明なため、
全航空部隊に待機命令を出しておけ」
「了解しました」
通信兵は私に敬礼すると部屋から出て行った。
「さて…どうするか」
私は今後の作戦を考えることにした…
最初のコメントを投稿しよう!