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結局、菜切の言う宿を予約し、菜切に連れていってもらうことになった。
一度、帰ってまた明日来るのも大変そうだったからだ。
幕田にあとで請求してやる、と思いながら、灯りのない山道を眺める。
少し雨が降って来ていた。
「そういえば、知ってます?」
と菜切が突然、口調を変えて話し始めた。
「この辺り、幽霊が出るんですよ。
傘を差した男の霊。
雨も降ってないのにですよ。
それで、乗せると、住所と番地を言うんですけど。
それをナビに打ち込むと、そこ……
霊園なんですよね」
「雨の日は?」
と晴比古は、菜切に訊いた。
「は?」
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